不正転売ができないNFTチケットとは?メリットや事例をご紹介
- Sumi
- 2022年10月19日
- 読了時間: 6分
Hi there!
ボクセルアーティストのSumiです。

近年正体不明の覆面アーティスト「バンクシー」のNFTアートが約14億円で落札されたり、CryptoPunksのドット絵が史上最高額である約27億円で売却されたりと、何かと注目が集まる*NFT。
*NFT
Non-Fungible Tokenの略。ブロックチェーンの技術を用いて従来コピーが可能だったデジタルアートなどを、唯一無二であると証明ができる技術。
アートを販売するイメージが根強いNFTですが、最近では実用的なサービスとして普及されつつあります。
そんな実用的なサービスの一つであり、みなさんも今後コンサートやイベントで活用する可能性がある「NFTチケット」
今回の記事では、「NFTチケット」のメリット・デメリットや、有名な活用事例なども含めてご紹介します。
NFTチケットとは?
「NFTチケット」とは、代替不可能なNFT技術を利用して、コンサートやイベントのチケットをデジタルデータとして販売し、不正行為を防ぐことができる革新的なサービスです。
従来の電子チケットと同じようにデジタルデータとして扱えますが、NFTの技術が加わることで、半永久的に保持できたり、不正な偽造や転売を防ぐことができます。
NFTチケットのメリット・デメリット
デジタルデータとしてチケットを簡単に入手・取り扱いができる「NFTチケット」ですが、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリットからご紹介します。
メリット
チケットの偽造が不可能
チケットの不正転売を防ぐ
デジタルデータのため、配布・入手・取り扱いが簡単
チケットの譲渡が可能
チケット保持者対象の特典を受けられる場合がある
NFTは上述した通り、ブロックチェーンの技術を用いてデジタルデータを唯一無二であると証明する技術。今まで紙のチケットでは可能だった「チケットの偽造」が不可能になります。
また、日本やその他の国でも長年問題になってきたチケットの不正転売。人気コンサートのチケットを転売業者が買い占め、高額で売るといった行為が繰り返されてきました。
そんな中、2019年6月に不正転売禁止法が施行され、チケットの高額転売が禁じられました。そこにNFTの技術が加わることで、転売が行われた経路の保存ができるので不正な転売者の特定が可能になります。
さらに、NFTチケットは従来の紙チケットとは異なり、電子チケット同様スマホで持ち運べるデジタルデータなので、簡単に入手が可能。うっかり紛失してしまったり、ゴミ箱に捨ててしまう心配もありません。
万が一コンサートやイベントに行けなくなった場合、今までは公式でリセールに出すかフリマサイトを利用して転売するのが一般的な方法でした。しかし、定価よりも高額で売ると違法とみなされてしまいます。また買い手側としても、フリマで購入した場合に、入金したのにも関わらずチケットが届かなかったり、イベントによっては当日に本人確認が必要で入場できなかったりと、様々なリスクがありました。
NFTチケットであれば、何か特別な事情でイベントに行けなくなった場合に、ファンクラブのメンバーに譲渡するといったことが可能になります。譲渡する側としても、本当に行きたい人にチケットを譲ることができたら嬉しいですし、行きたいのにチケットを入手できなかったファンにとってもファンクラブ経由で運良くチケットが手に入るのは嬉しいですよね。
NFTチケットの保持者は記録され明確になるので、今後NFTチケット保持者限定のイベントに参加したり、限定グッズを貰えたりと、新しい楽しみ方が増えていきます。
デメリット
上述した通り、NFTチケットは良い側面ばかり。しかしながら、以下のデメリットが挙げられるのではないでしょうか。
NFTを知らない人にとっては概念が理解しずらい
物理的な所有ができない
NFTはまだまだ新しい技術で、リスクをしっかり考える傾向にある日本の文化の中では他の技術先進国と比べて新しいものは受け入れづらく、理解が進んでいないのも事実。
チケットを販売する側の参入障壁にもなりえますし、購入する側も仮想通貨用のウォレットを持っていなかったりと、浸透するのに時間がかかる場合もあります。
また、NFTチケットは紙のように物理的に所有ができないため、思い出に手元にとっておきたいという方にとってはデメリットとなるかもしれません。
NFTチケットの事例3つ
世界で浸透しつつあるNFTチケット。今回は3つの有名な活用事例をご紹介します。
▪️ジャニーズ
人気アイドルグループを多数抱えるジャニーズ事務所では、2022年からチケットの一部をNFT化する取り組みが開始。
ジャニーズのコンサートチケットは大人気で、高額転売が長い間問題となり、不正転売防止の観点から家族や友人ですら譲渡ができませんでした。
そこでNFT化の最初の取り組みとして、今年5月の公演「JOHNNYS’ Experience」のNFTチケットを「ジャニーズ情報局」に入会している家族や友人に譲渡ができるようになりました。
NFTの技術があれば、不正な転売業者に悪用される心配もありませんし、何度も転売を繰り返している不審な人物の特定も可能です。
熱狂的なファンが多いジャニーズだからこそ、今後のNFTチケットへの取り組みに期待と注目が集まっています。
▪️DJ スティーブアオキ
アメリカフロリダ州出身のDJでもあり、音楽プロデューサーのスティーブアオキ。(彼は両親共に日本人ですが、アメリカで生まれ育っています。)
近年NFTアートのクリエイターでもあり、Bored ApesやCryptoPunksなどの有名NFTアートのコレクターとしても知られています。
彼は「NFT収入が音楽収入を上回った」とも発言しており、音楽業界でのNFT普及の先駆者ともいえます。
そんな彼が今年2022年に、イーサリアムNFTのファンクラブを立ち上げました。
NFT所有者であるメンバーは、ライブやメタバースのバーチャルコンサート、その他イベントに参加できるなど、さまざまな限定特典を受け取れます。
スティーブアオキは、ファンクラブの目標はファンに長期間に渡って利益を提供すること、コミュニティに貢献したことに対して報酬を与えることだと述べています。
半永久的に保持できるNFTという技術をファンクラブに活用することで、コミュニティに関わったくれた人や応援してくれるファンにより報酬を分配しやすくなりました。
NFTに積極的であるスティーブアオキの今後の取り組みが楽しみですね。
▪️パリ・サンジェルマン
2022年10月現在メッシやネイマールなどの有名選手が所属するフランスのサッカーチーム「パリ・サンジェルマン(PSG)」
今年の7月におこなわれたジャパンツアーでは、川崎フロンターレ、浦和レッドダイヤモンズ、ガンバ大阪の3チームと対戦。
1000万円の「Platinum VVIP NFT Ticket」と、100万円の「Gold VVIP NFT Ticket」の2種類のVIP席がNFTチケットとして販売されました。
こうしてスポーツ業界も、NFTの活用に乗り出しています。
今後さまざまな業界が活用するであろう「NFTチケット」の動向が楽しみですね。
まとめ
今回の記事では、NFTチケットのメリット・デメリットや活用事例をご紹介させていただきました。
普段からコンサートやイベントに参加する方にとっては、不正偽造や転売行為が防止できるNFTチケットはメリットばかり。
今後日本でも徐々に普及する可能性を秘めていますので、機会がある際にはぜひ活用してみてくださいね。
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